







展示主体の催し、という形にせざるを得なかった今年の馬文化祭りですが、そうした制約の中でも、やはり実際の馬に接してもらう機会も取り入れたい、と、実施したのが「ポニー写真撮影会」。帯広競馬場の入口付近に当会の所有馬「なつめ」と、ふれあい動物園の「レディ」を待機させ、来場した方々には、この2頭と一緒に写真を撮ってもらう、という簡単なイベントでしたが、2時間弱の実施時間中、途切れることなく家族連れなどが訪れて好評を博しました。
ただし、屋外のイベントとは言え、馬に直接触れたりする場面もあることなどから、コロナウイルス感染拡大防止策には最大限の注意を払っての実施。三密にならないよう、順番待ちの方々の足元には誘導シートを貼ったり、担当者が適切な間隔を確保したり、また、撮影の後の消毒液や消毒シートも充分に準備したり、と、何重にも対策を設けて、安心して馬とのふれあいを楽しんでもらえるようにしました。
写真撮影をした人たちは、一様に「可愛い」「嬉しい」と歓声をあげ、撮影の後も、2頭のポニーを撫でたり、声を掛けたり……。しばし、コロナ渦の憂鬱を忘れて、馬の優しさと可愛さに癒されていました。


コロナ渦の中、イベント開催が非常に難しい状況を考慮して、今年の「馬文化祭り」は、展示主体の催しといたしました。
それでも、ご自宅でも、しっかりと馬に親しんでいただけるよう「馬に親しむ秋展」と題して、馬に関する書籍をご紹介。帯広競馬場スタンド中央通路にある当会掲示板に、紹介文を掲示すると共に、実際の書籍や、それらに関する品物を展示いたしました。掲示は「ばんえい競馬を描いた本」と「映画になった名作馬物語」の2部構成としましたが、「ばんえい競馬を…」の部では掲示板で紹介できなかったコミックや写真集も展示。「映画になった…」の部では、原作本と併せてDVDも展示し、皆様に、馬に関する書籍や映像に接していただく羅針盤としていただけるよう心掛けました。


総評は前ページをご覧ください。
【子どもの部】
最優秀賞 亀山咲希さん(9歳)
小学3年生とは思えないほど「馬の動き」を見事に捉えた作品、ということで、馬のプロである審査員一同の意見が一致。漆黒のたてがみと尾をなびかせて走る馬の力強さが印象的ですが、空や大地のグラデーションの付け方など、絵画的にも優れた本作を最優秀賞としました。
優秀賞 茅野ゆいさん(12歳)
中学生らしくしっかりとした画力で描かれた作品ですが、それだけではなく、夕焼けを見上げる馬の姿に、淡い感傷が感じられ、審査員の胸を打ちました。どこか遠くを見つめるシルエットの馬に、多感な少女の心情と、馬に対する愛情をも織り込んだ点が評価されました。
優秀賞 渡辺耕大さん(11歳)
デッサン力の確かさや、背景を点描した技巧など、画力の高さを感じさせる作品ですが、それ以上に、ばん馬の哀愁を感じさせる画風は、到底、小学生とは思えないほどの深遠さを孕んでおり、馬関係者である審査員の心を打ちました。
騎手会賞 河畑杏音さん(4歳)
同コンテストでも屈指の秀逸な作品。恐らく絵画を学ばれているのでしょうが、わずか4歳とは信じられないほど確かな筆致の作品に、審査員が戸惑う中、騎手会長・西謙一騎手が迷うことなく選んだ一点。色使いの見事さや、構図の素晴らしさもさることながら、馬の愛らしさがストレートに伝わる作風に、騎手会長は魅了されたようです。
とかちむら賞 星紅羽さん(8歳)
お馬の親子のかわいらしさが作品全体に溢れる作品。小学校2年生らしい素直な作風は見る人の心を和ませるに十分です。デフォルメされた馬たちですが、空を見上げる表情や、柔らかな鼻先に馬への親しみが感じられました。
審査員特別賞 竹内蒼亮さん(7歳)
これぞ、ばん馬! という直球の構図。小学生らしい可愛い筆致でありながら、ばん馬の力強さや優しさがしっかりと絵描き込まれています。馬具やコースの緑色の線にまで目が届いている点は、小学2年生としては稀有な観察力。クレヨンと水彩絵の具を駆使した力作であり、審査員特別賞を授与することとしました。
【総評】
絵画コンテストと聞くとハードルが高く感じられたのか、なかなか応募作が届かず、募集期間中はヤキモキさせられましたが、最終的には91作品が全国から寄せられました。しかも、いずれ劣らぬ秀作揃い。レベルの高いコンテストとなりました。
という訳で、審査も大難航。まずは審査員が推薦作3作を選出。その中から協議の上、各賞を決めましたが、あくまでも「ばんえい関係者の賞」ということで、絵の巧拙もさることながら、「馬の魅力を十全に表現できているか」「馬との親しみ方が表れているか」という視点で審査し、以下のように決定いたしました。
なお、落選させるには余りにも惜しい作品もあり、急遽、審査員特別賞を設けました。
【一般の部】
最優秀賞 髙橋泰葉さん
淡いパステルカラーで描かれた優しい風合いの作品ですが、馬の頭部だけを描いているにも関わらず、「ばん馬」であることがわかる迫力が魅力的でした。ばん馬らしい柔和な表情を丁寧に描いた点も高く評価されました。
優秀賞 橋本徹さん
ばん馬の迫力を遺憾なく描き出してインパクト大。後方からの構図も独創的ですし、今、正に振り上げられんとする手綱の湾曲やソリの動きも見事であり、優秀賞に決定いたしました。
優秀賞 高橋愛さん
メルヘンティックな作風で、審査員をうならせた作品。しかし、その柔らかな画風の中にも、馬と人が一体となって疾駆する「ばんえい競馬」の神髄がこめられて、見事と言うほかない逸品でした。同じく優秀賞に輝いた橋本さんの作品とは対照的でしたが、剛柔の好一対の二作品が優秀賞となりました。
調教師会賞 鈴木みかさん
ばんえい十勝調教師会の田上会長が躊躇なく選んだのが、この作品。ばん馬の額を優しく撫でる厩舎関係者の姿に、強いシンパシーを覚えての選択だったようです。プロが選んだ作品だけに、ばん馬の描き方、特に表情の表現の素晴らしさは他作品を凌駕するものがあり、受賞作に決定いたしました。
とかちむら賞 高橋紘実さん
筆触分割の手法を用いるなど、作者の技術の高さを感じさせる作品ですが、それ以上に審査員の心をひきつけたのは、迫力。懸命に登坂する馬と、これをサポートする騎手、馬の足元に舞い上がる砂煙など、ばんえい競馬の力強さ、迫力を表現したこと、これらが評価され、とかちむら賞作に選ばれました。
審査員特別賞 渕上猛さん
鉛筆で描かれた本作は、シュールリアリズムの香りを運ぶ衝撃作。馬の脚の構造や騎手の服装などに正確さを欠くことから正賞選出からは漏れましたが、得難い魅力があること、83歳の作品とは思えない独自性と力強さから、特別審査員賞を設け、本作を受賞作としました。
審査員特別賞 津田絢子さん
『幸せを運ぶ力持ち』というタイトル通り、幸福感に溢れた作品。鮮やかな色彩もさることながら、馬体のふくよかさ、愛らしい馬の表情など、24歳の作者ならでは「若さ」も作品から発散されて、見る人をも幸せにする作品です。他作との選考で一歩遅れを取りましたが、この作品も落選とするには忍びなく、同賞を授与することとしました。