7月29日 帯広市に「ばんえい競馬健全化に向けての意見書」提出

 前号でもお伝えしましたように、当会は、未来永劫に継続可能なクリーンばんえいを目指し、様々な努力を惜しまない所存です。その第一歩として、表題の意見書を7月29日、帯広市市役所秘書課にて当会理事長・三宅陽一が市長宛に提出いたしました。意見書文面は以下の通りです。

 

帯広市
米沢則寿市長様

2009年、ばんえい競馬は、存続の危機にさらされながら帯広市の英断により辛うじて、その命を繋ぐこととなりました。爾来、十年の年月を経て、ようやく同競馬は黒字転換に成功、全国的な注目を集め、日本の馬文化基地としての位置も確立しつつあります。これも主催者である帯広市の関係者の多大なる労苦の賜物と感謝申し上げます。
しかし、また、こうした、ばんえい競馬の繁栄は、地元・帯広市や十勝はもとより、全国のファンの支えがあってこそのものであることは言うまでもありません。
今般の不祥事は、そうした多くの人々の好意や信頼を幾重にも裏切り、ばんえい競馬の存在を根底から揺るがす重大事です。当会は、馬を愛し、ばんえい競馬に代表される馬文化を支援する人々の集まりですが、そんな熱烈な支援者からも、失望の声や落胆の声、中には同競馬の廃止を訴える声までがあがっています。
こうした全国の悲痛な支援者の声を受け、以下の意見を提出いたします。

ばんえい競馬健全化を実現するために最も有効であるのは、主催者の競馬関係者への厳然たる姿勢、これに尽きると思われます。二度にわたる不祥事は、いずれも一般社会では当然であるルールを守れない、という一部競馬関係者の社会常識の欠如によるものです。
これらに対し、帯広市は毅然たる態度で臨み、不正を根絶していただきたいと心ある市民・ファンは例外なく望んでいます。
刑法の例外規定で実施されている公営競馬にあって、調教師・騎手・厩務員など厩舎関係者のみならず、馬主など関係者にも「高いモラル」が要求されます。そうした中で、例え法に直接触れないことであっても、多くの人々に疑念を抱かせる行為には厳正な処分を下していただきたいと切望するものであります。

また、今後に向けても、厩舎関係者のみならず、馬主など、ばんえい競馬に関わる全ての人々を対象に、内規の整備や公平かつ厳正な処分体制の確立を進めていただきたいと考えます。

更に、これらの競馬施行についての基本的ルールや職業モラルを定着させるための、関係者への教育の場を設けることも提案いたします。平地競馬とは異なり、教育機関を持たないばんえい競馬において、ルールの徹底、モラルの醸成は急務であり、無知によるルール違反の防止のためにも教育が必須であることは当然です。当会としても教材の提供など支援は惜しまない所存ですので、一日も早く教育プログラムを確立いただきたいと考えます。

最後に、不正防止の基本的姿勢として、主催者には経営者としての高い意識を持ち、厩舎関係者が生活苦から不正に誘惑されることがないよう配慮されることを望みます。

帯広市は、既に様々な角度から、これら厳正化に向けての取り組みを実施されておられますが、帯広市単独では困難な点も多々あることと承知しておりますので、上記の要望につきましては、地方競馬全国協会など関係団体にも意向をお伝えいただきたく、併せて要望いたします。

以上、世界で唯一、また、郷土の誇りである「ばんえい競馬」が、その素晴らしい歴史的文化的価値に似つかわしい健全な姿に一日も早く成長することを切に願い意見書といたします。
以上

とかち馬文化を支える会  理事長  三宅 陽一