帯広市長選候補者への公開質問状

当会では、昨年の衆議院選挙と同様に、ばんえい十勝について、帯広市長候補者に以下の公開質問状を送付いたしました(4月8日郵送)。
回答期限は10日、公示日前と致しましたので、ここに質問状を公開いたします。また、当会に寄せられました回答につきましても公開する予定です。
                                     2010年4月8日
帯広市市長選立候補予定者
                      特定非営利活動法人 とかち馬文化を支える会
                                 理事長 柏村 文郎
                       
                 公 開 質 問 状

廃止の危機にあったばんえい競馬がばんえい十勝として生まれ変わり3年目のシーズンを終えました。ばんえい競馬は北海道の大地と歴史が生んだ世界で唯一の競馬です。競馬は馬券収入に基づく自治体財政への寄与のみがとかく喧伝されますが,雄大な馬体を誇るばん馬とそれを御する人とが織り成すドラマは,それ自体大きな価値をもっているといえましょう。3年前の秋,廃止の危機に立たされたばんえい競馬がとにもかくにも今日存続し得たのは,十勝から全国に広がった存続を願う市民の声があったればこそでした。私たちNPO法人とかち馬文化を支える会は、そうした市民の声を結集し、十勝の馬と馬事文化を次代に継承し、地域の活性化に寄与することを目的に設立された団体であり、ばんえい競馬支援をはじめ、広く活動を行ってまいりました。
 しかし、ばんえい競馬をとりまく環境は依然として厳しいことも事実であります。
 そこで、今回の帯広市長候補者各位に、ばんえい競馬に関わる以下につきまして、どのようなご見解をお持ちであるか、お尋ねする次第でございます。つきましては、お手数ではございますが、公示日までに下記質問事項に対して書面にてご回答いただきますよう、お願い申し上げます。
 なお、ご回答につきましては、当会HPの他、各メディアにて公開の予定でございます。

【質問事項】

1.ばんえい競馬は経済波及効果65億円超と言われる大きな産業ですが、ばんえい競馬が廃止された場合、これに代わる産業が十勝にあるとお考えになりますか? ご意見をお聞かせ下さい。

2.ばんえい競馬への支出ついては「血税を使う」と批判されることがありますが、日本中央競馬会や地方競馬全国協会などを経て、馬産業は畜産の振興や全国の教育や福祉などに経済的支援をしています。ばんえい競馬についても、過去、市営競馬組合時代には、巨額の利益をもって帯広市に貢献し、市道や学校建設などに役立てられてきました。このような経緯および現状についてのご存じでしょうか?また、十勝において馬産業が衰退した場合の経済的および馬文化への打撃についてのお考えをお聞かせ下さい。

3.3月22日に、当会が開催いたしました「2010ばんえいフォーラム」において、「ばんえい競馬はオール十勝の問題として扱われるべき」とのご提案がありましたが、この点について、お考えをお聞かせ下さい。
                                   以上

ばんえい記念前夜祭、満員御礼!

昨年、大好評だった「ばんえい記念前夜祭」を、本年も3月27日に開催いたしました。
会場の競馬場2階ファンルームには、最終レース終了後から90名以上の観客が詰め掛け、立見のお客様が出るほどの大盛況。
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開場と同時に開始されたのは「ばんえい記念出走騎手のコメント」のVTR放映。トモエパワーなど出走馬の手綱を取る騎手さんのお話に、観客の皆さんは熱心に耳を傾けておられました。

これが終わると、厩舎関係のゲストの登場。
今年は、昨年のばんえい記念優勝騎手である西弘美調教師がゲストとあって、会場の雰囲気も一段と華やかに。
シャイな西調教師ですが、騎手から見たばんえい記念の特徴や、初めて出走した時の思い出、更に、トモエパワーの手綱を引き継いだご子息・謙一騎手などについて、お話下さいました。
「発出走の時は、物凄く緊張した」「息子には、聞かれればこたえるけれど、自分からは教えることはないね」など、西調教師から訥々と、しかし、楽しく語られるお話に、観客の皆さんも興味津々。皆さん大満足のコーナーとなりました。
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西調教師退場後は、ばんえい記念予想会。
VTRでの競馬評論家・須田鷹雄氏とアナウンサーの矢野吉彦氏の予想賀終わった後は、地方競馬場全場で実況中継の経験があるフリーアナウンサー・蘇武直人氏、当会理事でナリタボブサップなどの生産者でもある林繁徳氏、そして不肖・旋丸による予想会を実施。
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参加者からも勝ち馬予想をしてもらうなど、楽しい予想会となりました。
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最後は、皆様お待ち金のお楽しみ抽選会。
 額入り優勝馬写真や騎手サイン入り写真、三井牧場提供のアンローズプラセンタ美容液など、お宝グッズが続々。駆けつけてくれた谷調教師が輓馬Tシャツ当選者にイラストを描いて差し上げる場面なども。
観客の皆様に喜んでいただけたのではないかと思います。
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ご参加いただいた観客の皆様は勿論のこと、
西弘美調教師、谷あゆみ調教師、蘇武直人アナウンサーを始めとする出演者の皆々様、
お手伝いいただいた会員の皆様と役員各位、
そして、今回、様々な面でご協力くださった全ての方々に、この場をお借りして心より感謝申し上げます。

ばんえいフォーラム開催

お知らせしておりました「2010ばんえいフォーラム」を3月22日(祝・月)を帯広市とかちプラザで開催いたしました。
「ばんえい競馬は本当に必要か」という、ショッキングなサブタイトルを付けましたが、帯広市民のみならず、十勝の人々、ひいては北海道全体の人々に、ばんえい競馬の存在意義について真剣に検討していただこうと、勇気をもって開催いたしました。

第一部では、以下の二講演が行われました。

 一、耕野拓一・帯広畜産大学准教授が「ばんえい競馬開催による十勝経済への波及効果」と題し、ばんえい競馬を経済学的見地から分析、その結果、経済波及効果が65音円以上あることをご報告いただきました。また、それらの経済効果が他の事象に比べても多大であることなどが説明されました。
                   
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 二、競馬評論家の須田鷹雄氏からは「内地から見た十勝とばんえい競馬」と題して、東京を始めとした道外から見た「ばんえい競馬」魅力と、同競馬の更なる可能性についてお話いただきました。「3名でふるさと納税を呼びかけただけで1500万円が集まったように、ばんえい競馬が持つポテンシャルは非常に高い」など、説得力ある話に、聴衆は聞き入っていました。

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第二部では、各界の有識者などをお招きしたパネルディスカッションを行いましたが、この場では、会場の参加者からも意見をお伺いし、討論いたしました。
 ばんえい競馬については、一部、「帯広市民だけが、ばんえい競馬の赤字を背負うべきではない」「調教師や生産者など多大な犠牲を払っているばんえいは廃止されるべき」など、ばんえ競馬開催にに否定的な意見も出されましたが、「北海道の貴重な馬文化を次世代に伝えるべき」「帯広市にとって大きな産業であるばんえい競馬を潰すと、その被害はじん帯である」などの意見も出されました。また、生産者からは「我々馬関係者は、経済的に苦しくても、誇りと喜びをもって生産を続けている。ばんえい競馬を更に有効に活用するよう前向きに検討して欲しい」などの意見が出されました。

 予定時間を大幅に超過するほど白熱した討論会となりましたが、勿論、これだけの時間で結論の出るはずもありません。今後とも、ばんえい競馬が存続するために、いかなる手法が有用化、などについて、多くの方々と語り合う場を設けていきたいと思いますので、皆々様、何卒、宜しくご支援の程、お願い申し上げます。(旋丸)
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第3回馬事知識普及公開セミナー報告

2月26日、とかちプラザにて第3回馬事知識普及公開セミナーが行われました。約40名の方にご来場いただきました。
3名の講師の方に、馬についての有意義なお話をいただきました。
旋丸巴専務理事は「北海道の馬文化」。働く馬や祭り、イベントの中での馬、信仰の馬など、人の生活にこれだけ馬が関わっているということをわかりやすく教えていただきました。
古林英一理事は「北海道の馬と競馬の歴史」。ばんえいの歴史について講演していただきました。「3競オート」と呼ばれる公営競技の中で、競馬法だけが法律の目的を示しておらず「自治体の財政のために競馬を行うとは書かれていない」ことに言及。売上が赤字でも、経済的効果がそれを上回れば存在の意義があるのではないか、経済の活性化の道具としてどのように活かすかを考えるべき、との話に参加者の方々が聞きいっていました。
河合正人帯畜大准教授は「道産馬(どさんこ)の世界」。北海道和種馬の現状や歴史、飼料の話を写真を交えてお話いただきました。
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馬に対する新たな発見ばかりでした。来年度も全道で馬学セミナーを開催する予定ですので、ぜひお越しください。日程はブログにてご案内いたします。
(斎藤)

今年度最後の出前授業も終了

 2月24日、本年度最後となる「馬の出前授業」を帯広市立森の里小学校で実施しました。
 森の里小学校では、今年度、4年生が総合学習として「馬の学習」に取り組んできましたが、この日は、まず各クラス、1時間ずつ教室で馬について勉強。
 旋丸がこの授業を担当しましたが、子供たちから事前に、「馬について、もっと知りたいことは?」というアンケートを取り、それに答える形で授業を進めました。まずは、子供たちが興味を持った「馬の祖先」について、そして、一番「知りたい」というリクエストの多かった「馬の種類」について、続いて「馬の体の特徴」などについてお話しましたが、馬について詳しく説明する、というよりは、「進化と改良の違い」「どうして動物は進化するのか?」「どうして家畜は改良されるのか」という広い視野での理解を促進し、馬に興味を持ってもらうことは勿論、広く生物そのものに子供たちが楽しく興味を持ってもらうようプログラムを組み立てました。
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 さて、そんな、ちょっぴり難しかった授業の後は、待ちに待ったリッキーとの「ふれあい体験」。既に6月に、一度、馬車体験をしている同校4年生ですが、前回は「ミルキーの馬車」だったのに対して、今回は「リッキーの馬ソリ」、しかも、ミニホースの小梅ちゃんも一緒、ということで、前回にも増して大はしゃぎの子供たち。馬ソリに乗って「遊園地みたい!」と歓声をあげたり、ボランティアで駆けつけてくれた大河原騎手や長澤騎手に色々な質問をしたり、リッキーや小梅にニンジンをあげてうっとりしたり……と、全ての子供が満面の笑みで授業を終えました。
 毎回、子供たちの嬉々とした顔、真剣なまなざしに出会う出前授業は、我々スタッフにとっても、「馬の魅力」を再確認できる楽しい事業です。これも、ばんえい関係者の協力なくしては出来ない事業ですので、ばんえい応援と表裏一体で、来年度も積極的に取り組んで行く所存です。
(旋丸)

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